福島大学入試小論文答案例

2023年経営経営学類後期

問Ⅱ

ナッジを行う際には、選択の自由を確保するために、ナッジへの同意が必要である。既存のナッジについては、批判的な検証が必要だ。他方、本人がやろうと思うのに実行せずにいることに対しては、本人の同意に基づきナッジで行動を促すとよい。

現に、多くの人が同意なくナッジで誘導されていると実感し、辛い思いをしている。例えば、子どもが原則として学校に通うことになっているのは、今の日本で通用する本人の同意のないデフォルト設定型ナッジの一つである。学校以外にも勉強の方法があるのに、体質的に学校に行けない人に対しても、他の人が学校に行っているから自分も学校に行かなければならないという同調圧力がかかっている。

他方、ナッジによって、本人が望む行動を促すことができる。多くの大人が運動をしたがらないため、生活習慣病が広く問題になってきた。運動しましょうと言うだけでは、運動しない人が多い。これに対し、ゲーム会社の任天堂は、「リングフィットアドベンチャー」というゲームを制作した。ゲームに運動を取り入れた結果、多くの人がゲームを利用して運動するようになった。これは、「適度に運動しましょう」という情報を提供する方法やデザインを工夫した情報提供型ナッジの一種であり、同意に基づいている。

ナッジをより良いものとするためには、ナッジへの同意が大切である。

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